昨年はゼットスケーラーにとって飛躍の年となりました。日本法人の体制は、昨年一年間で倍増し、とてもよいチームワークができています。写真は昨年末に、コロナが一旦落ち着いていたタイミングで実施した、任意参加での忘年会の写真です。
ゼットスケーラーのグローバルビジネスの状況は、年間経常収益が10億ドルを超え、ゼットスケーラーの提供するクラウドセキュリティプラットフォームが1日あたり2,000億件のトランザクションを記録しました。インターネットがビジネスのネットワークとして浸透していくなか、クラウドネイティブなセキュリティプラットフォームの重要性はますます高まってきました。
Q 金田さんにとって、2021年のゼットスケーラーはどんな1年でしたか?
A 2021年はゼットスケーラーにとっても日本・アジアのビジネスにおいても大きな進展の年となりました。私個人としては、昨年の12月にゼットスケーラーの日本およびアジア代表に就任して1年経ちました。その間に230社の日本とアジア各国のCXOとお会いしてています。
そして各社が考えられるDX戦略、クラウド戦略、そしてネットワークセキュリティ戦略とその各種課題やチャレンジについてたくさんの学びを得ました。こうした顧客起点での組織学習を経て、この1年間で日本・アジア法人の体制を倍増しました。特に、顧客がIT戦略として目指す方向性と現状のギャップをデザインし検証する体制強化、そしてその実装から導入後の保守体制の強化を図り、同時にその教育投資を行なってきました。つまり、日本・アジアの事業成長だけでなく、組織としても大きな成長を遂げることができた1年だったと実感します。
Q Work from Anywhereの浸透度合い
A 先進的な企業は、コロナが発生する前からあらゆる場所で安全に働くことができる環境を推進しています。こうした流れはアジア各国、そして日本にも確実に起きておりますが、一概に、あるいは一足飛びにWork from Anywhereを推進すればよいわけではなく、各社が考えるその目的や狙い、そしてスピード感は異なります。
その中で、私自身がお客様のCXOとの接点で感じるテーマは「セキュリティと利便性/生産性の両立」です。この多くの企業が感じるジレンマについて、ゼットスケーラーはお客様のビジネス戦略に基づいたあるべきアーキテクチャーの設計とマイルストーンのデザインからご支援し、そのビジネス効果を生み出しています。
Q コロナ渦が落ち着いた後、ワークスタイルはどのように変化するのでしょうか?
A コロナが収束した後も、Work from Anywhereへの取り組みは継続すると考えています。労働力が不足すると言われている日本では、さらにワークスタイルが変化し続けると思います。日本・アジアの様々なお客様との会話の中で感じますが、そのトリガーになるのが、各社が考える「クラウドシフト」です。そしてその背景にあるのが事業環境変化への適合、そして社員の生産性の追求だと感じます。
ITによる変革もふまえたワークスタイルの変化をいかに定義し、推進していくかが今後の競争優位の鍵になります。その点、ビジネスモデルの変革には、アプリケーションだけでなく、ネットワークとセキュリティのIT変革が必要と考えており、このアプリ/ネットワーク/セキュリティの「三位一体の変革」をゼットスケーラーは意識的にご支援しています。
Q 2021年にゼットスケーラーはお客様に、どのように貢献したのか?
A 2021年は大手企業を中心に、さまざまな業種のお客様にゼットスケーラーのソリューションを導入頂きネットワークセキュリティの革新のメリットをご確認いただけたと感じています。決して短期視点ではなく、中長期的観点からゼットスケーラーのロードマップや様々な導入企業のユースケースをふまえて各企業の中期計画策定や意思決定をご支援してきました。
最近では5GやIoT/OTといった次なるネットワークセキュリティの変化においてゼットスケーラー・グローバルとの密な連携により日本のお客様への次なる打ち手の判断材料もお届けしています。その点で、各パートナー様との連携にも力を入れています。
Q 企業の経営者の考える2022年の取り組みに対する課題とは
A コロナ禍の不安定な経済環境においても、ビジネスの成長のための業務の効率化やセキュリティはますます重要となります。経営者の持つ視点はより長期的な戦略が重要であり、そのためのスケーラブルで柔軟なIT環境の構築は非常に重要です。
特にネットワークセキュリティにおいては、各社が掲げられる「ゼロトラスト」の定義付けが大きな課題だと実感します。私自身のCXOとの接点においても、各社の中期計画をはじめとしたマイルストーンのゴールの一つにゼロトラストの言葉が出ております。一方でそのゼロトラストという言葉がバズワード化されていることも実感しました。弊社含めたベンダーのマーケティングメッセージに踊らされることなく、ゼットスケーラーからはあえて中立的な立場で顧客のゴールとあるべきゼロトラスト像を設計していきました。
加えて、2022年はマルチクラウドの推進における課題が顕在化していくと実感します。各社が考えるポリシーで、自動的かつ安心安全にクラウドを運用していくテクノロジーの活用が必要になってきます。この点、ゼットスケーラーによるCSPMやワークロードプロテクションの提案と実装にも力を入れていきたいと考えています。
Q 5GやIoT, OTなどのIT技術がもたらすメリットとゼットスケーラーの役割
A 先進的な5G技術によるIoT、OTへの活用は活性化していくでしょう。さまざまな業種、分野で5G技術の進化による応用ソリューションが開発されています。また、5Gの浸透によりWifiが不要になる新たなパラダイムシフトが起きていくなかで、そのネットワークパフォーマンスを犠牲にしないセキュリティ技術がより重要となります。
ゼットスケーラーでは20を超える5G Enterprise Use Caseを元に日本のお客様やパートナー様とグローバル本社の接点を積極的に作り、その検証や実装をご支援しています。
Q ゼットスケーラーは今後、企業にどのようなメリットをもたらすのか?
A 大前提としてセキュリティ強化の先にあるそもそものゴールを達成することが重要だと考えます。例えば「どこからでも従業員の生産性を確保」「製品やサービスで企業収益を増加」「リスクを軽減し、ビジネスの継続性を確保」「M&Aまたは事業戦略を迅速に進める」がその代表例に挙げられます。ゴールは各社各様です。ゼットスケーラーは各社が考えられるゴールに連動したあるべきアーキテクチャのデザインと検証のHOWの部分、そしてROIも含めたビジネスケースの明確化のWHYの部分に踏み込んだ体制強化とメリットを中長期的な観点、そしてグローバル視点でもたらしていきたいと考えています。
製品・サービス軸においては、インターネットが企業のネットワークとなり、クラウドのさらなる活用が業務の効率化と働き方改革の重要な鍵となります。その中でクラウドを介するトラフィックのセキュリティを確保し、さらにワークロードの安全を確保する事はより重要となります。また、IT管理者が見逃しがちなデジタルエクスペリエンスの可視化の重要性が高くなります。それぞれZCP、ZDXという製品・サービスを日本やアジア市場に展開する形で、顕在化していく顧客課題にお応えしていきます。
Q 金田さんの2022年の展望
A 経営の観点では、日本での成長をトリガーにアジア市場への成長を図っていきます。日本からアジア全体に経営およびオペレーションできる点が外資系企業としてのゼットスケーラーのユニークなポイントと感じています。その心は、日本企業様の多くがアジア展開も強く意識しながらIT変革を推進されており、ゼットスケーラー日本・アジア法人として直接の支援ができる点で、お客様のグローバル展開ニーズにお応えできる点にあります。私自身、日本同様にアジア各国のCXOとお会いしていますので各国で培った経験やナレッジを日本企業様に還元できる点でも付加価値をご提供してまいります。
さらにゼットスケーラーグローバルとの連携も非常に強化しています。日本とグローバルのギャップを埋め、グローバルの先進例やテクノロジー実装において日本企業様のお役にたっていきます。
日本・アジア法人が急成長していることもあり、ゼットスケーラー本社から強い期待と投資を受けています。その点で、昨年倍増した体制を更に強化してまいります。特にパートナー様との連携、導入・サポート体制の強化による顧客とパートナー様との戦略的かつ長期的な関係構築を2022年は更に強化してまいります。