新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大により状況がますます不透明化・不安定化する中、私自身も皆さま同様、各国による対応の進展を見守りながら、家族そして当社の従業員および顧客・取引先各社にとって最善の施策を模索し続けています。当社は、アプリケーションの安全・高速・確実な利用を居住地や利用地に関わらず実現するというミッションのもと、顧客企業の従業員の皆様が安全かつ生産性に優れた在宅勤務を行えるようサポートをすることを責務に、各社の状況対応に際して極めて重要な役割を果たしています。
これまでも過去数年間に渡り幅広く検討されてきたリモートワークの速やかな導入が求められていますが、相互につながり合うグローバルな組織が、リスクへの対応を維持しつつ生産性を維持することは、多くのCEO、CIO、CISOにとって大きな課題となっています。
リモートワークによる従業員の生産性向上の実現は決して難しいことではありません
リモートワーク環境下で従業員が職務にあたる際、必要となる情報を入手しようとするとともにリスクは増大します。PCやモバイル機器の電源を入れるだけでアクセスできるSalesforceやAWSなどのクラウド系アプリケーションの活用は、日常業務のリモートワークを拡大させます。
もちろん、当社でも他のお客様と同じように、リモートワークを活用していますが、当社のクラウドプラットフォームを全社レベルで活用することにより、勤務地、使用デバイス、必要なビジネスアプリケーションに関わらずこれまで通りの生産性を維持できています。
また新型コロナウイルスの感染拡大を受け、ここ数週間は、社内外のすべてのアプリケーションへの迅速なアクセスの確保や生産性維持の実現を目指す企業からの問い合わせが相次いでいます。以下はその対応例です。
- グローバル大手貨物輸送会社のDBシェンカーは、アジア太平洋全域の従業員大半が遠隔勤務できるようにすることで、社員の安全と事業継続性の両立を実現させました。新型コロナウイルスの感染が拡大し初めてから数週間でZscaler Private Access(ZPA)を導入し、数日の内にZPAを稼働させました。DBシェンカーはこれ以前にも、セキュリティと利用速度向上の両立に向けたクラウド戦略の一環としてすでにZscaler Internet Access (ZIA)を使用していました。 ZIA導入についての詳細は、DBシェンカーのGerold Nagel氏(グローバルインフラストラクチャーサービス担当シニアVP)・Markus Sontheimer氏(理事/CIO/CDO)のブログでも紹介されています。
- Global 100に選出されている企業は、すでにグローバルレベルでのZIA使用実績を持っており、ZPAを導入することで12万人以上の従業員が利用するための安全な遠隔アクセスの環境を、3週間未満で構築しました。
- 1月1日以降、ZPAをフル活用する既存顧客が増えたことで、当社のトラフィック量は全体で3倍以上増加しました。地域別では中国が12倍、韓国が6倍、日本が2倍以上増加したほか、ミラノに新設されたデータセンターはすでに当社クラウドのトップクラスのトラフィック集積地となっています。
あらゆる場所からビジネスを継続できるクラウドプラットフォーム
多くの企業が事業の非常事態計画を策定している一方で、今回のような影響力の大きい事態を想定している企業はごく僅かです。従業員に在宅勤務を呼びかける場合、従業員の安全性や生産性が維持されるよう、「全従業員が全社内アプリケーションに遠隔アクセスできるか」「ITチームによる在宅でのサポート業務は可能か」「社内のセキュリティ体制は効果を発しているか」「ユーザー性能はどうなるか」など、組織は多くの点を考慮する必要があります。適切な措置を講じることで、従業員は次の取り組みを行えるようになるのです。
- SalesforceなどのSaaSアプリケーション、Microsoft Office 365などのコラボレーションツール、各種社内アプリ等を含むあらゆるアプリケーションへのアクセス、およびインターネットの安全な閲覧
- あらゆる場所や機器からのITサポートの提供
- 帯域幅利用率の軽減、従業員にとっての使いやすさの向上
- これらすべてを攻撃対象領域の縮小により全体的なセキュリティを向上しながら実現
当社は、組織が今回のような状況に迅速に対応できるよう、事業継続ソリューションを提供しています。このソリューションは、組織によるこれらのニーズへの対応をはじめ、各種のアプリケーションやサービスへの社員による迅速・安全・確実なアクセスの実現をサポートするためのものです。また、当社はZPAの迅速な実装に役立つ専門サービスも提供しています。
当社が提供するものは、あらゆる状況・規模・場所(自宅またはオフィス)・機器で業務を継続できる、ゼロから新規に構築されたマルチテナントプラットフォームです。当社の世界150箇所に点在するデータセンターで顧客の皆さまのセキュリティ強化を実現するだけでなく、利用可能なクラウドの容量も毎日拡張し続けています。また、当社のクラウド事業部には、幅広いシナリオに対応できる緊急営業用事業継続計画が整備されており、つい先日実施した当社自身の復旧力をテストする緊急事態訓練でも成功を収めています。このような実績に加えて、当社には今回の未曾有の危機に際して顧客の皆さまをサポートできる規模の営業能力を有していることは、私自身の誇りです。
当社は、顧客・従業員・取引先の皆さまが、どこからでも勤務できる環境の実現をサポートし、皆さまの安全を確保することを責務としています。皆さまとご家族の健康を心よりお祈り申し上げます。