マインドセットの移行：コストセンタからビジネスイネーブラへ

Robert Berkenpas氏は、MOWIのインフラストラクチャ&オペレーション担当グループマネージャです。LinkedInに最初に投稿された記事とMOWIのWFA（Work From Anywhere）の取り組みを紹介する短いビデオをこちらからご覧いただけます。

危機的な状況がイノベーションのきっかけになるのは、珍しいことではありません。リソースが不足し、時間が限られ、不況や世界的な健康衛生の危機に直面すると、綿密に計算し、十分に議論し、交渉してきた計画や予算の見直しを突如として迫られることになります。

危機的状況だからこそ、迅速に行動し、再考し、方向転換することで、想像もしなかったような変革が可能になります。ほんの6か月前に、MOWIのオフィスやブルージュの工場などの生産拠点がゴーストタウンのようになり、ノルウェー産の新鮮なサーモンを加工して切り身にする作業に不可欠な人材だけが（生産量が増えたにもかかわらず）フロアに残り、その工場が自宅にいる従業員によって運用されていると聞いたら、何を寝ぼけたことを言っているのかと誰もが不思議な顔をしたでしょう。

私がこれまでに経験したことのなかった最悪のパンデミックの発生から半年が過ぎ、世界中の数百万人がこのパンデミックの影響を受け、世界中の非常に多くのビジネスが停止することになりました。世界最大級の水産物生産者であるMOWIには、従業員はもちろん、養殖魚も守り、世界中の人の食料を確保する責任があります。

困難な時期ではあったものの、この数か月間に非常に幸運にも観察することができた良い方向への進展、すなわち、ITがコストセンタではなくビジネスのイネーブラとして認識されるようになったことについて、お話したいと思います。

今年の初めにCOVID-19が世界中に拡大し、ソーシャルディスタンスの確保が不可欠になることがわかった段階で、私のチームは、WFA（Work From Anywhere）を可能にし、従業員とその家族、さらにはすべての仲間の保護を実現するテクノロジを採用し、展開する作業を開始しました。

在宅勤務が開始したことで、従来のVPNでは膨大な数のユーザとデータに対応できないことがわかりました。Zscaler Private Access (ZPA)の価値実証がすでに終了していたため、1か月足らずで全従業員への展開が完了し、ZPAを評価した段階で選択した道が正しかったことが証明されました。

このソリューションをリモートで展開しましたが、VPNをオフにして仕事を続けるよう指示された従業員は、時に困惑の表情を見せましたが、翌週以降は、VPNの起動にあたってコードを生成したりPINを入力したりする必要がなく、ノートPCの電源をオンにするだけで仕事を始められるという利便性から、賛辞の声が次々と寄せられるようになりました。

Zscalerで成し遂げた成功は、ビジネスのあらゆる分野で注目されることになりました。これは私のこれまでの経歴でも極めて稀なことであり、この非常に重要なテクノロジに関する決断で、我々の部門はもちろん、全社のビジネスのやり方を大きく変えることができました。これまでは、ITは不要な障害を発生させるものだという考えが主流でしたが、そうではなく、ビジネスを支援し、さらには、セキュリティの強化も可能にするものでもあることが証明されました。我々は、おそらく創業以来最短でITプロジェクトを成功させ、テクノロジを活用してビジネスの成果を実現する方法についてのビジョンがあることを証明できたのです。

この成功により、これまでは参加できなかった会議や議論の場に招かれたり、我々の専門知識が早い段階からプロジェクトの推進に役立てられたりするなどの具体的な成果がすでに現れています。

このようなマインドセットの移行で、ITがもたらす価値が再認識されるようになり、技術的な問題の解決だけでなく、ITの専門知識がビジネス成果の達成にどのように役立つかについても理解してもらえるようになりました。

AIを活用して給餌パターンを改善したり、クラウドテクノロジを活用してモバイルワークを可能にしたりするというように、新しいテクノロジで多くのことを学んでいます。そして、これはほんの始まりに過ぎません。テクノロジを活用してプロセスを最適化したり、新たなプロセスを創造したりすることで、確実にイノベーションを継続し、持続可能な未来を支援できるのです。

テクノロジとイノベーションがMOWIにさらなる機会をもたらし、イノベータとしてだけでなく、重要なパートナーとしてITがビジネスに貢献することで、あらゆる段階で付加価値を提供できるようになると確信しています。ITチームは素晴らしい仕事をし、ビジネスの期待を上回る素晴らしい成果を上げています。私はこのことを何よりも誇りに思っています。